組立金具として人気のラメロPシステムですが、種類ごとの特徴についてまとまてみました。
テンソーPシリーズ
セルフクランプ方式、接着剤併用
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【組立】
T溝加工のみです。
引張強度はクラメックスPシリーズほど強くありませんので、接着剤と併用することを前提として開発されました。
直角・平面接合に適しています。
【見た目】
部材を組立金具で組立ると組立金具が完全に隠れ、部材の表面には何も残りません。
【接合強度】
嵌め込み後の接合面にかかる圧力は15kg程度で、バイスでクランプした時の力に匹敵します。1組当たりの分解力は25kg以上です。
【フレキシビリティ】
直角接合だけでなく、22.5度(但し、板材が19mm厚の場合)から180度までの様々な角度での接合ができます。
角度のある接合でも、補助クリップを使えば、軽い押し込み力で嵌め込めます。
⇒ 補助クリップ(テンソー P-14用)のページはこちら
【スターターセット】
テンソー P-14(80組)と補助クリップ(80個)、補助クリップ装着治具(1個)がセットになったお得なスターターセットがあります。
⇒ テンソー P-14 スターターセットのページはこちら
クラメックスPシリーズ
レバークランプ方式、分解可能
クラメックスP-14
特徴・概要
- P‑システムの標準的・万能型クランプ式金具。六角レンチを90°回すだけで、工具なしで着脱可能。
- 直角から22.5°~180°まで、厚板(19 mm)で多角度に対応。位置合わせから固定までを一体制御
仕様
- 金具寸法:66×27×9.7 mm
- 材質:グラスファイバー強化樹脂+亜鉛ダイカストレバー
- 長手方向調整:±1 mm
- 引張強度:MDF 90 kg・合板 80 kg・ブナ 100 kg
用途
- フラッシュ家具・店舗什器・無垢材家具に最適。軟材(桐・ファルカタ)にも強力な固定力
クラメックスP-10
特徴・概要
- P‑10は、薄板(12~15 mm厚材)向けの浅型モデル。P‑14より取付け深さが浅く設計
- 六角レンチだけで簡単に組立・分解可能。薄板のミトラ接合にも対応。
仕様
- 寸法:52×19×9.7 mm
- 長手方向調整:±0.5 mm
- 引張強度:MDF 60 kg・合板 60 kg・ブナ材 90 kg
- 材質:GF 樹脂+亜鉛ダイカストレバー
用途
- 薄板やモールディング材、壁面パネル・クラフト家具に適応。輸送時にフラットパック梱包できるのが特長 。
クラメックスPメディウス 14/10
特徴・概要
- P‑14とP‑10双方の利点を併せ持つ中間モデル。取付深さ10 mmを保ちつつ、P‑14に近い強度を発揮
- 特に帆立て家具(ホタテ組立)用途に最適化された設計。
仕様
- 寸法:アンカー64×13.5×9.7 mm/ロック52×7.5×9.7 mm
- 長手方向調整:±1 mm
- 強度:MDF 80 kg・合板70 kg・ブナ90 kg
- 材質:GF樹脂+亜鉛ダイカストレバー
用途
- 帆立て商材やフラッシュ家具、桐家具に適用。ネジが効きづらい素材でも2分以内の高強度接合が可能
クラメックスP‐14フレクサス
特徴・概要
- P‑14の柔軟性を強化した進化型。突出部が格納でき、どの方向からも組立可能で、組立順序を気にせず自在な設計が可能 。
- P‑14の基本性能をすべて継承。
仕様
- アンカー64×13.5×9.7 mm、ロック52×7.5×9.7 mm
- 誤差:長手±0 mm/半径±1 mm
- 引張強度:MDF 72 kg・合板 60 kg・ブナ 81 kg
- GF樹脂+亜鉛レバー。
用途
- 後付け棚の追加や不定形・コーナー家具に最適。設計の自由度と現場性を重視するプロジェクトにおすすめ。
まとめ比較
モデル | 板厚目安 | 調整範囲 | 引張強度 (MDF) |
特徴 | 適用箇所 |
---|---|---|---|---|---|
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厚材(19 mm) | ±1 mm | 90 kg | 標準モデル・万能型 高強度重視 |
フラッシュ家具、無垢材、 店舗什器 |
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薄板(12–15 mm) | ±0.5 mm | 60 kg | 浅型・薄板対応 | モールディング、パネル、 ミニ家具 |
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中板(10 mm取付) | ±1 mm | 80 kg | 帆立てや中板に最適 | 帆立家具 奥行きが浅い家具 オフィス什器・展示パネル構造 |
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厚板+柔軟設計 | ±0 / ±1 mm | 72 kg | スライド・スナップ式 組立順序フリー 組立後加工重視 |
後付け棚、不定形家具 組立順序が複雑な家具 |
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⇒ クラメックス P-10 のページはこちら
⇒ クラメックス Pメディウス 14/10のページはこちら
⇒ クラメックス P-14 フレクサス のページはこちら
【組立】
T溝加工後、6mmΦの穴をあけます。
組立金具の組立や分解は六角棒スパナを使って、内蔵レバーを約90度回すだけで、すばやくできます。
【見た目】
組立したり、分解する時に六角棒スパナを差し込む穴の直径は6mmと小さく、カバーキャップを使えばほとんど目立ちません。
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【接合強度】
接合部の引っ張り強度は木の材質にもよりますが、金具1組当たり100kg前後の強度を確保できます。
【フレキシビリティ】
直角接合だけでなく、22.5度(但し、板材が19mm厚の場合)から180度までの様々な角度での接合ができます。
デバリオPシリーズ
スライドインクランプ方式、棚板・桁板スライド固定
【組立】
アンカーパーツはドリル穴に打ち込み、ロックパーツはインサート治具でT溝に差し込み、ピンで固定するだけ。接着剤やネジは不要です。
棚板や桁板をスライドさせるだけで、隙間を生じさせずにきっちりと固定でき、位置ずれしません。
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【見た目】
組立金具並びに、加工したスライド溝や金具装飾部も完全に隠れ、部材の表面には何も残りません。
【接合強度】
スライドさせるにつれ、金具同士が引っ張り合い、接合力が高まった時点でロックされますので、接合強度が維持されます。
【スターターセット】
デバリオ P-18(80組)とインサート治具(1個)、ドリル穴位置決め簡易治具(1個)がセットになったお得なスターターセットがあります。
⇒ デバリオ P-18 スターターセットのページはこちら
ビスコPシリーズ
Pシステム補助金具
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クラメックスやテンソー使用時、引張強度が充分にある時に併用し、組立金具の使用箇所を少なくしてコスト低減や剪断強度アップを図ります。
積み重ね可能、輸送に便利
どのシリーズも、装着後も表面から飛び出していないので、部材を積み重ねても別の部材を傷つけません。保管や梱包、輸送に便利です。
現場での組み立ても簡単なので、設置費用の低減や人員の削減に繋がります。
T溝加工の位置決めも容易に
専用のポジショニングピンを使うことで、T溝加工するための位置決めが簡単にできます。
CNCマシニングセンターで位置決め用の穴をあけ、ゼータP2にポジショニングピンを装着し、穴に差し入れてからT溝加工します。
必要なアグリゲートやプログラム、別のCNCマシニングセンターを導入する必要がありません。
(1) 5mmΦまたは8mmΦのドリルをCNC機に装着します。(2) ドリル穴とT溝の位置関係の図面。
(3) ポジショニング・ピンをゼータP2に取り付ける。(4) ドリル穴にポジショニング・ピンを差し入れてから、T溝加工する。